2019/04/16 14:40


設立29周年を迎える日本を代表する数少ないブランドの一つと言っても過言ではない「ツモリチサト」。今シーズン限りで事業を終了する。
我々の世代では派手な柄物と言ったらツモリみたいないわば代表格であり、個性的でガーリーで可愛くて自分が女性なら惹かれていたかもしれないそんなブランドでした。当店も5年前のオープン時は並べておりました。確かに最近聞かないな。着ているコ見ないな。と感じる部分は多く、時代の変化に対応できていなかったと言えばそれまでなんですが…今は特にミニマルな服が好まれ、まるで洋服に個性は必要ないんじゃないか?と思わせるような風潮。「遊び」を全てそぎ落とした「ライフウエア=生きるための服」を掲げるジャパンブランドが大多数のお客様に支持されている昨今ですから、30年前のDCブランド全盛期の日本とはまるで逆。支持されるはずがないのです。それに対してつまらないとか寂しいとか言うのは自由ですが、服は着てもらって初めて価値が生まれます。それはまるで絵画のようなもので欲しいという方にとってみれば数万円の価値があり、欲しいと思わない方からすれば1円の価値もないのです。それが洋服というもの。厳しい言い方かもしれませんが、ツモリチサトはもう価値がなくなった。ということですね。儚いですよね。服は人間が袖を通した瞬間から承認欲求というものが発生すると私は考えます。つまりは着ている洋服を誰かに褒めてもらいたい。誰かと共有したい。その評価によってより自分の中での満足感や価値が高まりやがて愛着へと変化していくものであると思います。私はお客様によく言われる言葉があります。ここで買った洋服は人に褒められるんですよ。って。まさにそれはオススメしているブランドが地域性や時代に沿っているという証拠ですね。周りに怪訝な顔やすごいなぁそれ(汗)という反応を受ける洋服はただの自己満足に過ぎません。そんな方まわりにいませんか?その感覚を常に意識し、これからもお客様のもとへと素晴らしいお洋服たちを提案し続けていきたいですね。