2024/06/04 13:10

先日放送されたクレイジージャーニー 皆さんご覧になられましたでしょうか?

大阪のブランドバイヤーズの社長さんのタイ買い付けに密着 1枚300万の幻のニルヴァーナのTシャツを追え!みたいな内容

しかし、放送後からスレッズが大炎上

現在もオススメにそればっか上がってくる始末... まだ言ってやがるよ。ってねw

やってる事が転売ヤーだとか。ぼったくりだとか。買い付けたやつ偽物だとか。成金のニワカがヴィンテージTシャツ買い出すからヤメロとか。

それだけ今皆さん古着に熱くなってる証拠なんです。最近のブログでも古着ブームについて散々お話してきましたが、まさしくそれが表面化した事象と言えるでしょう。

あのね、転売って素人がシュ〇リームとかに並んで爆買いし、メーカー希望小売価格以上でネット販売することでしょ?古着屋が転売なら、世の中の小売り全てが転売ヤーってことになる。その辺のスーパーのおっちゃんも敏腕転売ヤーってことになるよ、カッコよ!卸から安く買って高く売る。これ商売の基本よ。あと仕入れ値の50%上乗せするのはしごくまっとうだし、売るチカラがあるから50%乗せれるんですよね。うちは30~40%が限界です。

お店の規模的にも資金的にも熱量的にも到底足元にも及ばない同業の私なんかは、放送を見て胸が熱くなってちょっと涙出るくらい感動しましたもん。お客さんのために頑張ってるなーって。儲かるからというよりお客さんの喜ぶ顔が見たいからできるだけ安く日本に持って帰りたいという熱量ですよね。社長、もう一度ファッション業界に光を与えてくれてありがとう。そんなホッコリした気持ちになりました。

じゃぁ300万円の幻のヴィンテージTシャツ着てれば勝ちなのか?ゴールなのか?服って違いますよね。ヴィンテージだろうがレギュラーだろうが、本人が好きで買って着こなしているサマ、雰囲気は値段では計れません。うちで売れているような5000円程度のレギュラーのバンTを着ている人に対して、ヴィンテージのウン十万円するバンTを着ている人が、バカにしている構図って人間の倫理観としてどうなんだと。いわば学歴コンプレックスや職業差別の域。金額でマウントとって何が楽しいのか?だから日本のファッションはいつまで経ってもダメなんだよと思うのです。海外のようにもっとパーソナルな部分を見てほしいんです。その服を身に着けた時に内側から滲み出てくるその人の生き方だったり、個性だったり。それが後にセンスとなる。日本人と違って高かろが安かろうが上手に着こなしていますよね。

あくまでメインは人であって、服はスパイスに過ぎないんです。調味料にいくらお金をかけようが、メインには成り得ないのです。たまーにお客さんでも現れるんです。自分が一番買ってるからオシャレだろ?って人。そーゆー人は息長くないですね。小手先や口先だけでは経験を超えることはできません。分かってる方は何も語らず足繁く通ってくれます。それが全てを物語っていますね。

流行なんていずれ終わります。熱狂するのは個人の自由ですが、その物の価値や値段ばかりに引っ張られすぎるのではなく、今の自分のスタイルにそれが必要か否か。考えれる人が増えれば、古着は一過性のブームで終わることなく業界に細く長く残っていくのではないかと思うのです。

20年前の古着ブームのあの終焉はもう見たくありません。