2024/09/06 11:50
最近、N.ハリウッド(ミスターハリウッド)デザイナー尾花さんとピース又吉さんとの対談を偶然ユーチューブで拝見した。ミスターハリウッドと言えば私が服飾を目指し始めた頃、一世を風靡していたブランドで憧れて大量に買い漁ったもんです。古着リメイクのリーバイスやリー、ラングラー。オリジナルのTシャツやスーツと。当店のオープン当初も取り扱っていた事も記憶に新しいお客様もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこからブランドは徐々に大きくなりコレクションをニューヨークで発表するようになり、方向性があれ?あれ?っとなり全く買わなくなりましたが、数年ほど前からミリタリーのリプロダクトラインのような商品がリリースされはじめ、またちょこちょこ買うようになりました。
尾花さんも対談の中で昔を遡られておりましたが、コレクションはテーマに沿った服作りをしなければならず、その服を果たして消費者が着たいのか?と問われれば本当に欲しい商品ではなく、整合性がとれなくなってきたみたいな事をおっしゃられておりました。だから自分も買わなくなったんだなと妙に納得したり。あとは年齢ですよね。年を重ねれば重ねるほどセレクトショップのような場所で売ってる奇抜な服は仮装みたいで着なくなり、古着屋に売ってるような明日からすぐ着れるようなリアルクローズをより求める思考になるんです。
今がまさに世の中がそんな感じなんじゃないですかね。明るい未来を見るように新進気鋭のデザイナーに投資する時代は終わりました。明日どうなるかわからない混沌とした今、歴史に裏付けされた古着的価値に皆さん投資するのではないでしょうか?流行り廃りではなく死ぬまで着れるという普遍的な安心感です。
私も40になり、新作新品を求めるよりもどこか着古したような服を求めるようになりました。それ買ったの?と気付かれるよりもいかにも昔から持ってたかのように気付かれない事に快感を覚えたり。その方が他者から見たら違和感ではなく自分らしいという事になりますから。店もそんな存在でありたいですね。突拍子もない服を販売するではなく、いつ来ても、いつ着ても安心できる納得するラインナップやコーディネートを提案できるそんな普遍的な場所であり続けたいなと思います。